fantasy:ファンタジー
天使の職務 -無断転載・流用は禁止です-

■守護天使(Guardian Angels)■
役割
国家・都市・地域・人間の保護、あるいは後見役、奉仕
・ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルがその指導天使として下級天使たちを監督している。
※マタイ伝に記録されている国家の守護天使
ペルシャの守護天使 ドビエル(Dobiel=熊の神)
ローマの守護天使 サマエル(Samael=闇の支配者)
エジプトの守護天使 ラハブ(Rahab=原始の海の支配者)
イスラエルの守護天使 ミカエル(Michael=大天使)
タルムードによれば、全てのユダヤ人には生涯の間11000もの守護天使が付き添うという。地上に生える草の一本一本にも守護天使がいる。
・キリスト教では、非公式であるものの一人の人間に二人の守護天使がいるとしている。右側にいる天使は人を善に導き、左側の天使は人を悪に誘う天使とされている。

■死の天使(Angels of Death)■
役割
堕天使として人間の罪を告発し、刑罰を与える。または、弁護人となる。
・ユダヤ教における”死の天使”は、「黄泉の国の守護者」でもあるガブリエルを筆頭に、アドニエル(Adniel)、アズラエル(Azrael)、ヘマハ(Hemah)、カフジエル(Kafziel)、ケゼフ(Kezef)、リバイアサン(Leviathan)、マシット(Mashhit)、メタトロン(Metatron)、サマエル(Samael)…。
・キリスト教ではミカエルが知られている。彼はその”永遠の光”で人の魂を読み取り、よきキリスト教徒の霊を救うう。
・アラビアの死の天使は、アズラエル(Azrael)が知られている。アラビアン・ナイトでは”誇り高き王”として死の天使の役割を全うしている。
・古代バビロニアでは、以下の6人の天使が死の天使とされた。
ガブリエル(Gabliel) 若い人の生命をつかさどる
カフジエル(Kafziel) 王の生命をつかさどる
メシャベル(Meshabber) 動物の生命をつかさどる
マシット(Mashhit) 子供の生命をつかさどる
アフ(Af) 男性の生命をつかさどる
ヘマハ(Hemah) 家畜の生命をつかさどる

■創造の天使(Angels of Creation)■
役割
”天地創造”における働き
・天地創造のため、第一日目に作られた。神の助手として、天地創造に参加した。
・創造の天使は7人とされる。オリフィエル(Orifiel)、アナエル(Anael)、ザカリエル(Zachariel)、サマエル(Samael=後に反逆して堕天使となる)、ラファエル(Raphael)、ガブリエル(Gabliel)、ミカエル(Michael)である。
・7人の天使は神の命により、それぞれ7つの惑星(太陽と月も含まれる)に陣取り、天文学の知識をいかして、具体的な”創造”を企画した。神はこの作業にいたく満足したらしく、サマエルを除く6人を神の住居のすぐ下の展開の第六天に居住することを許している。

■平和の天使(Angels of Peace)■
役割
人間の平和をつかさどる
・神が人間を創造しようとしたときに、”平和の天使”はこぞって反対したとされる。”真実の天使(Angels of Truth)”も彼らに同調した。彼らは神の怒りに触れ、炎に焼かれたが、のちに復活、人間の平和をつかさどる職に帰り咲く。
・カバラ文献「ゾハル」によれば、平和の天使たちは、人間の殺し合い、争いなどの所業を嘆き、悲しんでいるという。
・平和の天使は、伝統的には7人いるとされる。グノーシス派によると、平和の天使の指導者はメルキセデク (Melchesedec)とされる。
・ユダヤ教においては、全てのユダヤ人家庭に平和の天使が訪れるとされている。

■炎の天使(Angels of fire)■
暗闇を明るく照らす光、不浄なものを焼く浄化作用
・古代神話において”炎”は神のみが所有する大切なものであった。世界各地で火あるいは炎を、神聖なものとみなす信仰が存在する。
火は、一般的に「威光」と「権限」を象徴するものとされ、キリスト教では「殉教」「地獄」、あるいは、宗教的な「熱意」をあらわすものである。
・ユダヤ教においても炎は最も清浄なものであり、神自身が炎となって姿をあらわした事も記されている。
・ローマカトリック教会では、復活祭に”火の再生”という儀式を行っている。
・炎から作り出された天使には、ナタナエル (Nathanael)、アレル(Arel)、アトニエル(Atuniel)、ヨホエル(Johoel)、アルダレル(Ardarel)、ガブリエル(Gabliel)、セラフィ(Seraph)、ウリエル(Uriel)がいる。

■光と愛の天使(Angels of light and love)■
キリスト教において重要な言葉
・”光”というものは、もともと「清浄」「徳行」などを象徴する言葉で、キリスト教においては”世界の光”として「キリスト」自身や「信仰」「恩寵」「慈愛」を意味する重要な言葉である。
・光の天使とされるのは、イサク (Isaac)、ガブリエル(Gabliel)、イエス(Jesus)、それにサタン(Satan)である。サタンが光の天使とされるのは、彼がそう装っていたに過ぎない。ユダヤ人の伝承では、人間であるはずのイサクが光の天使とみなされている。
・300人もの光の天使が第三天に居住し、絶え間なく神への賞賛を唱えながら、エデンの園とそこにある生命の木を見張っているとされる。中世のキリスト教では、ガブリエルがその名誉を一人で担っている。
キリスト教において重要なテーマ
・兄弟愛、親子の愛、恋愛といった個別の愛情から始まって、人類愛や”宇宙愛”といった壮大なスケールを持つものとさまざま。新約聖書において、神は”愛”ゆえに人間を創造したとされ、神自身の本質が”愛”そのものといわれる。これに答えるため、人間は己を捨てて神を愛すことが教義の根幹となる。自らが進んで神の子として”隣人を愛せよ””己の敵を愛せ”ということが、キリスト教の基本姿勢なのである。愛を受けるのではなく、愛を与える存在となることが大切なのである。
・愛の天使とされるのは、テリエル(Theliel)、ラハミエル(Rahmiel)、ラファエル(Raphael)、ドンクエル(Donquel)である。
・カバラ文献においては、ローマの女神でもあるヴィーナス(Venus)もまた、愛の天使の資格を得ている。ヴィーナスの息子に有名なキューピッドがいる。

■月の天使(Angels of Moon)■
暗示的な意味、受動的、神秘的、隠微、女性的
・能動的、男性的、正統派である太陽に比べ、受動的、神秘的、隠微、女性的に例えられる。
昼に対して夜であり、、表に対して裏という位置付けがなされる。
・古代ヘブライ人護符は一般的に月の形をしていた。錬金術や魔術を研究する人々にとって、月は多くのものをもたらすと言われていた。
・キリスト教においては、聖母マリア、教会の威光を示すシンボル。十字架にかけられたイエスの人間的な側面を表すものとされる。
魔術の祖であるソロモン王の伝承では、月の天使は、ヤハリエル(Yahriel)、イアカディエル(Iachadiel)、エリミエル(Elimiel)、ガブリエル(Gabliel)、ツァフイエル(Tsaphiel)、ザカリエル(Zachariel)等とされている。
・月の天使と似た職務に”神秘の天使(Angels of Mysteries)”という存在がある。それは、ガブリエル(Gabliel)、ラジエル(Raziel)が代表者とされる。

■黄道十二宮の天使(Angels of Zodiac)■
黄道
2000年周期で変わる宮
黄道のように、人類の歴史を十二宮に従って区分すると2000年周期で次のようになるという。まず、紀元前2000年からキリスト誕生の西暦元年までの2000年は白羊宮の時代で、ゼウスやディオニュソスの時代という。ついで、西暦元年〜2000年は双魚宮の時代。キリスト教が世界にあまねく広がった時代と認識されている。魚はキリストのシンボル。そして、西暦2000年から4000年は宝瓶宮の時代を迎える。世界的な組織化、地上を兄弟愛が支配する時代が訪れるとされている。
・十二宮をつかさどる天使
白羊宮 Aries(牡羊座) マラヒダエル(Malahidael)
金牛宮 Taurus(牡牛座) アスモデル(Asmodel)
双子宮 Gemin(双子座) アムビエル(Ambiel)
巨蟹宮 Cancer(蟹座) マヌエル(Manuel)
獅子宮 Leo(獅子座) ベルキエル(Verchiel)
処女宮 Virgo(乙女座) ハマリエル(Hamaliel)
天秤宮 Libra(天秤座) ズリエル(Zuriel)
天蠍宮 Scorpio(蠍座) バルキエル(Barchiel)
人馬宮 Sagittarius(射手座) アドバキエル(Advachiel)
磨羯宮 Caprico(山羊座) ハマエル(Hamael)
宝瓶宮 Aquarious(水瓶座) カンビエル(Canbiel)
双魚宮 Pisces(魚座) バルキエル(Barchiel)

■楽園の天使(Angels of Paradice)■
役割
楽園の守護にあたる天使、あるいは楽園のリーダー
楽園の天使は、シャムシエル(Shamshel)、ミカエル(Michael)、ゼフォン(Zephon)、ゾティエル(Zotiel)、ヨヒエル(Johiel)、ガブリエル(Gabliel)である。
・西洋人にとって楽園は「エデンの園」であるが、ユダヤ教とキリスト教では、アダムとエヴァの罪のため、エデンの園は天使たちによって厳しく警備され、人間の侵入は許されていない。
・厳密な意味で言えば、人間に残された楽園は天上にある神の住居と、最後の審判の後に地上に作られるとされる「神の国」を意味する。そして、”楽園の天使”たちの守護する楽園とは、天上にあるものと地上のエデンの園の両方を指している。
・楽園思想はユダヤ今日やキリスト教のみならず、世界中に存在する。日本の”西方楽土”や中国の”桃源郷”など。

■天使歴(Calender of Angels)■
四季の天使(Angels of Four Seasons)
・農民たちにとって、四季の到来は重大な意味を持っている。
司令官 副官
スプグリグエル(Spugliguel) アマティエル(Amatiele)、カラカサ(Caravasa)、
コレ(Core)、コミッソロス(Commissors)
トゥビエル(Tubiel) ガルガテル(Gargatel)、ガビエル(Gaviel)、
タリエル(Tariel)
トルクアレト(Torquaret) タルクアム(Tarquam)、グアバレル(Guabarel)
アタリブ(Atarib) アンバエル(Ambael)、カタラリ(Catarari)
12か月の天使(Angels of the Months)
・1年の12ヶ月を歴道理順序正しく運行させるのもまた、天使たちの職務である。
(ユダヤ教の天使) (古代ペルシャの天使)
1月 ガブリエル(Gabliel) バハマン(Bahman)
2月 バルキエル(Barchiel) イスファンダルメンド(Isfandarmend)
3月 マルキディエル(Malchidiel) ファルバルディン(Farvardin)
4月 アスモデル(Asmodel) アルデビスト(Ardibehist)
5月 アムビエル(Ambiel) クルダッド(Khurdad)
6月 ムリエル(Muriel) ティル(Tir)
7月 ベルキエル(Verchiel) ムルダッド(Murdad)
8月 ハマリエル(Hamaliel) シャハリバル(Shahrivar)
9月 ウリエル(Uriel) ミヘル(Miher)
10月 バルビエル(Barbiel) アバン(Aban)
11月 アドナキエル(Adnachiel) アザル(Azar)
12月 ハナエル(Hanael) ダイ(Dai)
週七日の天使(Angels of the Sevendays of the Week)
主任天使 副天使
月曜日 ガブリエル(Gabliel) ガブリエル(Gabliel)
火曜日 カマエル(Kamael) ザマエル(Zamael)
水曜日 ミカエル(Michaerl) ラファエル(Raphael)
木曜日 ツァフイエル(Tzaphiel) サチエル(Sachiel)
金曜日 ハニエル(Haniel) アナエル(Anael)
土曜日 ツァフイエル(Tzaphiel) カシエル(Cassiel)
日曜日 ラファエル(Raphael) ミカエル(Michaerl)

■オリンピアの天使(Angels of Olimpics)■
・「グリモア」と呼ばれる中世の魔術書で紹介されている。そのルーツは古代ギリシャのオリンポスの神々であるとされる。彼ら7人は、七惑星の支配権をもつとされる。
アラトロン(Aratoron) 土星を支配する天使
ベトール(Bethor) 木星を支配する天使
ファレグ(Phaleg) 火星を支配する天使
オク(Och) 太陽を支配する天使
ハギト(Haggith) 金星を支配する天使
オフィエル(Ophiel) 水星を支配する天使
フル(Phule) 月を支配する天使



注釈
タルムード(talmud)
ユダヤ教聖典の一つ。旧約聖書のなかの”モーセの五書の注釈書”としての性格を持つ。成立は3〜5世紀。2種あるうち、、「バビロニアのタルムード」が権威をもっている。
メルキセデク(Melchesedec)
大天使の一員ではないものの、非常に高位の天使とされている。メルキセデクの意味は”神セデクこそ我が王”。セデク(Zedec)というのは、バビロンに幽閉される直前のユダヤ王の名前である。彼は、”正義の天使”であり、神に最も愛された天使であり、天使軍団の力天使(Virtues)に所属しているとされる。「創世記」によれば、メルキセデクはもともと人間で、サレム(Salem=エルサレムの旧国名)の王であり、司祭でもあったという。シンボルは聖杯と一塊のパン。グノーシス派の人々は彼を”キリストに勝る偉大な名前”として崇め奉っている。
ナタナエル(Nathanael)
”神の贈り物”の名称をもつ彼は、「創造の天使」の一人であり、12人の「復讐の天使」のメンバーでもある。また、四大の一つ”火”をつかさどる天使として知られている。異教の神を崇拝しなかったキリスト教徒が火の燃えたぎる炉に放り込まれたときに彼らを救い出したとされる。
天地創造
「創世記」によると以下の通り。
1日目:まず最初に天と地を創造した。地は混沌としていて水の表面を”神の霊”動いていた。神は、”光あれ!”と命令し、光が誕生した。神は光と闇をわけて、昼と夜を作った。
2日目:大空を作った。
3日目:海と地を分け、地に草と果樹を芽生えさせた。
4日目:太陽と星を作った。
5日目:鳥と水中の生物を作った。
6日目:獣や家畜など地上の生き物をつくり、最後に神自身を形どって人を創造し「この者に、魚、鳥、家畜、地の獣、地を這う全てを支配させよう」と語った。
7日目:安息の日とされた。
イサク
旧約聖書に登場する人物。父親であるアブラハムは、その信仰を試みるためにイサクをいけにえにしようとしたが、神への服従が認められて命拾いしている。その信仰心の深さとともに、彼が誕生した際、その顔が不可思議な光に照らされていたという伝説から、光の天使の名誉を受けている。
キューピッド(Cupid)
キューピッドはユダヤ教にもキリスト教にも関係しない、ローマの神様である。つまり、天使よりも偉い存在。
黄道(Zodiac)
地球を中心としてみた太陽の軌道。古代オリエントの時代に黄道に沿って360度を12等分し、その両側に12の星座があることから、黄道十二宮という呼び名をつけた。獣帯とも言う。もともと天文学は未来予知や運勢の判断の指標として考えられてきたが、古代人はこの黄道十二宮にもさまざまな特別な意味を与えた。
楽園(Paradise)
この言葉はもともと「周囲を覆われた」とうい意味のペルシャ語が語源となっていて、王侯貴族が狩猟を楽しむための”猟園”を意味したもである。転じて、周囲から隔離され、生命維持のための食料や水などが潤沢にあり、しかも享楽のための要素まで備わった場所という意味になった。


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