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いつか君が話してくれた、
離ればなれになってしまう王子と姫のおとぎばなし
むかしむかし、ひとりの王子が旅をしていました。
旅の途中、ある国で道に迷った時のこと……。
王子は森の中の教会で、美しい姫と出会いました。
「なんと美しい姫だろう」
王子は一目で姫を好きになりました。
ふたりは毎日森の教会で会い、やがて深く愛し合うようになりました……。
ところがそのことを聞いたこの国の王は、たいへん腹を立ててしまいました。
「我が娘をたぶらかす者は誰か?すぐに捕らえよ!」
王は王子を捕らえると、こう言いました。
「旅の王子よ、そなたは姫を好いていると言うが、その言葉に偽りはないか?」
「姫は私の心の幸い。姫の愛さえあれば、いかなる試練も喜びに変えることが出来ます」
「ならばはるか遠く、この世の果ての外国に旅立つが良い
無事に戻ることがかなえば、その時そなたの言葉を信じよう」
こうして王は、王子を遠い国へ追放してしまうのでした……。
遠い国へ旅立つ日、悲しみにうちひしがれる姫に王子はこう告げました。
「私は旅立たなければなりません。でも、どうか悲しまないでください。
私の心はあなたのもの。たとえ世界の果てからでも、いつか必ず迎えに参ります」
それから姫は毎日、森の教会で王子の無事を祈りました。
いつか、王子が迎えにくる日を信じて……。
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